(9) **リハビリ病院 10/1~10/13(9) 2003/10/1~10/13まえへ(8) つぎへ(10) ~大福3個~ *転院78日目* 2003 10/1(水) お天気なので午前中は夏物の洗濯に励みました。 朝一でshinの会社のKさんに電話しましたが外出中で、昼過ぎに話が出来ました。 復職についても本人が気にしている旨を伝え、来週中にKさんが病院へ来てくださる事になりました。 電話だけでこんなに疲れてどうするの? 来週までに胃を壊しそうです。 都民の日で学校が休みの長女と病院へ行きました。 shinに電話の内容を伝えると「そうか」と言いました。 昨日相談したUさんは不在だったのでとりあえずメモでお知らせしました。 OTの前に長女と3人で時計台広場でおやつにしました。 shinは「うまいうまい」と大福を3個も食べました。 これは食べすぎでしょう。 YさんとOT室の前で会いました。 お互い待ち時間があったので、いろいろと話ができました。 病名は分かりませんがYさんは難病で歩行が厳しくなったそうです。先日からは頑張りすぎて体調を壊し、リハビリがストップしていたとか。 精神的にも辛い毎日だったでしょう。 病気もイヤです。怪我もイヤです。 PTを少し見学して帰る事にしました。 「今日は大福を3個食べているので、エネルギーは沢山ありますから」とO先生に言うと笑っていました。 *********** ~頭と体のバランス~ *転院79日目* 2003 10/2(木) 病院の前にあれこれ用事を済ませていたら、ちょっと遅くなりました。 今日は学習もまだスタートしていなかったので、ベットのオーバーテーブルでノートの記入だけを済ませました。 OTはストラップ用の1枚目の皮の刻印が済んでいました。 shinが2枚目をトントンしながらI先生は会社の事を心配して聞いてくれました。 (shinの部屋ではOTの皮細工をトントントンと呼んでいます) 昨日はI先生が休みだったので報告がまだでした。 「そうか、これからですね。気になる事があったら何でも相談してください」と言われました。 OT室の前でNさんの奥さんに会いました。 自宅が近いので、かかりつけの開業医について聞いてみました。 shinが以前かかっていた先生はかなり高齢なので、他の先生も捜してみようかと思っていたからです。 Nさんもどうしようかと思っているらしく、捜している風でした。また情報交換をすることにしました。 OT後PTまで1時間ほどあったので時計台広場でお茶にしました。 昨日は大福を3個も食べたので、今日は飲み物だけです。 28度といわれていましたがさすがに夕方は涼しいです。 「寒いくらいだね」と言うと「中に入ろうか」と気を使えるようになっているので、ちょっと可笑しくちょっと嬉しく。 「あなたの場合、手足のマヒと頭の状態が良いバランスで回復してきたかもね」と私が言ったらshinは笑っていましたが 手足が利かないで頭だけがクリアーだとやはり余計に辛かったと思います。 徒に焦ったりリハビリをやり過ぎて体を壊したり脱臼したりする例も聞いていました。 欲がないshinの様子を歯がゆく見ていた時期もありましたが 神様は試練と共にバランスも与えてくださったのかもしれません。 ********** ~介護保険…面接~ *転院80日目* 2003 10/3(金) 2時に介護保険の面接があるので、早めに病院へ行きました。 STの宿題とノートの記入を済ませ、区役所のOさんを待ちました。 両親の時と同じような質問をされましたが、「お話を進めておいてください」と言われたので介護度はどうなるか分かりませんがきっと申請は通るのでしょう。shinのケアマネージャーを決めなくてはいけません。 OTと時間が被るかなと思っていましたが、4時前にはスタートできました。 面接のため少々疲れた様子でしたが、先週の不調の時ほどではありませんでした。 2枚目の皮の刻印をし、後はADL室の畳の上でマッサージです。 前回ここでマッサージをした時、I先生はshinの左手をマッサージして「はい、では今日はこれで」なんて言うものだから 「先生、つかぬ事をお聞きしますが右手のマッサージは後日でしょうか」と尋ねると「あ~ごめん。右と左間違えたよ。 今日は両方ね」と慌てて右手のマッサージもしてくれました。 廊下で会ったりすると何か怒っているのかな…と怖い印象もあるI先生なのですが、実際はユーモアもあり患者にも家族にも親身に接してくれる先生です。 きっと照れ屋なんでしょう。 PTは5時スタートです。 実習生のTさんはずっとO先生についていたので、shinも随分お世話になりました。 今日が最後の実習日だそうで、shinと一緒にお礼を言いました。きっといいPTの先生になるでしょう。 来週からPTは11時スタートになるそうです。 見学も毎日とはいかないので、ポイントを決めて来ようと思います。 10月に入りリハビリも仕上げの段階でしょうか。様子がだんだん変わってくるのが分かります。 ************ ~鍼~ *転院81日目* 2003 10/4(土) 先日からシップを貼ったり子供達に揉んでもらったりしていた私の肩と腰ですが、とても辛くなったので鍼治療にいく事にしました。 子供達も私の状態を分かってくれているので 「今日の病院は休んでいいよ。私達で行くから」と言ってくれました。 鍼の先生は聞き上手なので私の体をほぐしながら、話もじっくり聞いてくれました。 頭、肩、腰としっかりうってもらい、随分体も楽になりました。 長女の学校が終わる時間を見計らって次女も出かけたようです。 二人で作戦を立てて(!)、先に学習。 それからお父さんの好きなものを買ってきておやつにしよう…と言っていました。 F病院に転院して2ヶ月以上が過ぎ、子供達もshinの状態の把握が出来ておりキチンと対応してくれます。 頼もしい二人です。 昼過ぎに帰宅したら、インフルエンザの予防接種に出かけた両親も帰っていました。 「なんだ、病院には行ってないのか」 こんな聞き方をされる時が一番私の胃にこたえます。 朝から今日のスケジュールは説明したのになぁ。 もう覚えるのは無理なのでしょうか。 過剰な期待はせず、その都度説明をしないといけないレベルまできたのでしょうか。 今の私にその根気があるかどうか…。 それに私だけが関わらないといけない事なの…? 明日の日曜日はshinと外出を予定しています。 お天気もよさそうです。 ********** ~初外出~ *転院82日目* 2003 10/5(日) 今日はshinと初外出です。 最寄駅の一つ前にデパートや大きな本屋などがあるので次女と3人で出かける事にしました。 F病院から徒歩で駅までshinの足で10分程度です。 駅はエレベーターもエスカレーターもあり、上りはエスカレーターにしました。 乗るタイミングが取れるかとちょっと心配でしたが、本人は意識していないようでスンナリとステップに立てベルトをつかむ事ができました。 電車に乗るのは何ヶ月ぶりでしょうか。 本人も興奮しているのが分かります。 一駅なので座った途端に着きました。 本屋で好きな作家の本を買い、デパ地下で同室の方たちへお菓子を買いました。 3時前にお茶にしました。 少々疲れたようですが、「以前は普通にこんな事もしていたのになぁ。コーヒー一杯でも新鮮だよ」とshinが言いました。 病気を境に生活の環境が一変したのです。 疲れるのも新鮮に感じるのも無理はありません。 でも「また機会があれば外出したい」と言ったので、出かけて良かったと思いました。 また同じルートで帰りました。 エスカレーター、エレベーター、ホームと電車の隙間、段差、階段…など足元に関しては大きな問題は無かったと思います。 shinが左手に持っていた杖にはかなりの視線が集まっていました。(本人は感じていなかったようですが) PTのO先生は出来れば杖無しで歩いて欲しいようなのですが、 退院しても歩行と判断力が病前のレベルに近づくまでは、アピールの為に持っていたほうがいいな・・・と思いました。 ナースセンターに報告して早めに帰りました。 病院では疲れも意識しませんでしたが、帰るとどっと疲れました。 次女も楽しそうでしたが、いろいろと気を使っているのが分かり頼もしくありがたく思いました。 本人も家族も外出には慣れが必要だと分かりました。 ********** ~栄養相談…1~ *転院83日目* 2003 10/6(月) 午後から病院で栄養相談があるので早めに家をでました。 お昼を食べる時間が取れず、ホカ弁を買って駐車場待ちの間に車の中で済ませましたが、お茶を買うのを忘れていたのでちょっと辛かったです。 デイルームでノートの記入をしていると栄養士のOさんが来ました。 初回はカロリーについて。次回は塩分についてだそうです。 shinは以前から太りやすい体質で、私も繊維が多い食べ物や年齢的にも肉より魚を多くしたりとある程度バランスには気をつけていたつもりでしたが、最近は外食も多くなりお酒も増えていました。 今回こんなに大きな病気になり、私としては今後の自信が無くなりそう…と少しゴネてみました。 shinは困った顔をしています。ふふふ。 次回の外泊時の食事記録が宿題となりました。 糖尿ではありませんが義父も以前糖尿だったので、糖尿食の1600~1800カロリーを目安に説明を受けました。 野菜・キノコ・海草などを沢山摂る事、食べるスピードにも注意が出ました(shinはすごく早食いでした。義父もあまり噛まずに早食いです)。 以前shinの体重は何回か落とした事があるので、本人の自覚と家族の協力が得られればヘルシーな食事は何とか作れると思いますがshinが好きだから…と甘いものを沢山買ってこられたりすると困る訳です。 妻は健康を考えますが、親は子供を喜ばせたいと第一に思うようです。 月曜日の定例FAXを送信すると、会社のKさんから電話があり 9日(木)に病院でお会いする事になりました。 う~ん、いよいよです。休職の延長は認められるでしょうか。 ********** ~腰痛 ~ *転院84日目* 2003 10/7(火) 今日はOT・ST・PTとリハビリは三つありますが、とても腰が痛いので病院は休むことにしました。 両親からシップを貰い腰に貼りました。 一日ボーッとして過しました。 以前はボーッと過した日は何かしら罪悪感のようなものがあったのですが、環境が変わってみるとこんな時間も必要だと思えます。 人それぞれ疲れ方が違うのに私はこれまで自分の尺度で家族に接していたのかもしれません。 夕食もバッチリ手を抜き一日らくちんをしました。 夜、 「週末上京の予定があるので、お兄さんのお見舞いに行きます」と九州の弟からメールです。 金曜日は小学校の懇談会、土曜日は高校のガイダンス説明会と週末外泊。 うわぁ、バッチリ重なってしまいました。 弟も予定は変えられないようなので金曜日の夕方、病院に集合することにしました。 *********** ~湯気 ~ *転院85日目* 2003 10/8(水) 昨日は病院を休みましたが、shinからは電話もありませんでした。(テレカは持たせていますが積極的に使おうとはしません。これも病気のせいでしょうか) 11時のPTに間に合うように出かけました。 ここ何日も体のバランス調整が主になっています。 O先生もいろいろと対策を考えてくださいますが、shinはなかなか上手くバランスを取ることが出来ません。 体の能力的な問題よりも頭で理解したことの再現力(とでもいうのかしら)の不足でしょう。 これもきっと高次脳と関係があると思います。 OTはお休みでSTは朝一番だったので、今日はもう帰る事にします。 久々にY子ちゃんとランチです。 病気の家族がいると少しずつですが確実にいろんな「オリ」が溜まるのが分かります。 子供達があと10才大きければ話せる事も今は私の胸にしまうしかなく、そんな話を「うんうん」と聞いてくれるY子ちゃんの存在は大きくありがたいのです。 帰宅すると学校の創立記念日で家にいた次女が紅茶をいれてくれました。 カップから上がる湯気と一緒に私の心もジワ~ッと温まりました。 ********** ~面談・・・休職期間延長ねがい~ *転院86日目* 2003 10/9(木) 今日はいよいよshinの会社のKさんが来る日です。 休職の延長願いが大きなポイントですが、朝から落ち着かない私です。でも落ち着かなくては…。 約束は4時なので、その前にノートの記入をしたり外の空気をすったりしました。 今朝はPTの時間が10:20スタートに変更されてshinにもそれを伝えておいたのですが、やはり忘れてしまったらしくO先生に迷惑をかけてしまいました。 リハビリの時間は自分で動けない患者さんについては看護師さんや助手さんが車イスを押してリハビリ室まで連れて行ってくれるので、あまり気にする必要もありません。 でもshinがいる312号室は日常生活についても自立度が高いと認識されているので、いちいちリハビリのチェックは無く 各々がホワイトボードで時間を確認しなければいけません。 shinは決まった時間には対応出来るようになってきましたが、ちょっと変化があると忘れたり対応出来なかったりするようです。 患者同士でも「今日は何時からなの」と聞いたり聞かれたりしているようですが、これをあてにしてはいけません。 家族も意識して何回も確認しないといけないのでしょう。 8月末から借りていた杖ですが、O先生にはできれば杖無しで退院して欲しいと言われました。 でも先日の外出時にかなりの視線を集めたので、「しばらくは持っていた方がshinのためにも周囲のためにもなると思う」とO先生に伝えました。 その結果、今日はマイ杖の購入となりました。 リハビリ病院だけあって売店には杖の種類も豊富ですし、売店の方の説明も丁寧です。 いろいろ試してみましたが、グリップが握りやすく軽めのタイプにしました。 そのままPT室に直行し、O先生に見てもらってOKが出たので 杖の長さを調整してもらいました。 (PT室には杖を切るための鋸もあるようです) O先生に今朝のPT遅刻をお詫びしました。 良くある事らしく、「これもリハビリだから」と言ってもらい ちょっと気持ちが楽になりました。 3時からOTです。 I先生にも今日の予定は話してあるので、先生も時間を気にしています。時々長引いたりする事もあるのですが「今日は時間通りに終わるからね」と言われました。 今日の面会のお部屋は1Fの会議室をSWのUさんに用意してもらいました。 私は早めにOT室を出て部屋を確認しUさんに挨拶をすませました。 OT室へ戻ったらshinもI先生もいません。 二人で3Fへ戻ったらしいので、私も3Fへ上がります。 shinにはG階のエレベーター前でKさんを待ってもらうことにしました。 そうこうしていたらK先生が来て「○さん、悪いけどこの書類にサインをしてくれませんか」と9月分のリハビリ計画書を出されました。 (これって8月に見せてもらうはずの書類じゃないのかな~)と思いながら焦ってサインをしました。 改めてエレベーターを待っていたらshinとKさん、Mさんが上がって来たので再び1Fへ降りてもらいました。 (今日の部屋は1Fだからね…とshinには伝えていたのでけど忘れているようです) Uさんが点灯し使用中の札を下げておいてくれた部屋に4人で入りました。 とても大きい部屋で普段はSTのグループレッスンが行われたりする所のようです。 部屋の中央に長机がセットしてありました。 「何だか入社面接のようですね」とKさんが言われました。 shinの状況を聞いたり、会社の人の名前が出てきたり、職場復帰の意思を確認されたり、握手を求められたり、それぞれに出したペットボトルのお茶をshinが開けるところをじっと見られたり…全~部テストと感じましたがshinもわりとそつなくこなせたので安心しました。 こちらも復職の希望を述べたあと、リハビリもまだ途上でありせめて今年一杯は休職してリハビリに励んでもらいたいとの主治医の意見も伝えました。 また今月末の退院のスケジュールや身障者手帳の申請予定(これはI先生とも相談のうえ、情報を出す事にしました。従業員56名以上の会社は身障者の雇用率1.8%を満たさなければいけませんが、実情はマッチングが難しくshinの会社も例外ではありません。shinも病前はこの関係の仕事にも関わっていたので会社の事情も分かっていました)なども伝えました。 最後はG階の玄関までお二人を見送り、1時間ほどの面談は終わりました。 結論は会社持ち帰りで後日連絡となりました。 感触は…五分五分でしょうか。 UさんとI先生が首を長くして待っていました。 内容と今日の結果を報告し、お礼を言いました。 前にも書きましたがshinの判断力が病前と変わらない状態であれば私も必要以上の心配はしません。 でも高次脳の影響はまだあちこちに見られ、shinだけに重要な事を任せられる状態ではありません。 家族内ではある程度の報告は出来ても相談は無理な事がよく分かったので、こうやってUさんやI先生に関わって貰い、本当に心強く思うのです。 数日前から緊張していたこともあり、とても疲れました。 病院の夕食もすぐ始まりそうでしたが、今日は何をする気力も無く早々に帰りました。 ********** ~楽しい面会 ~ *転院87日目* 2003 10/10(金) 今日は九州から弟が上京する予定ですが、小学校の懇談会があり病院へ行くのは夕方になりそうです。 4時過ぎに次女と病院へ出かけました。 途中図書館に寄り、ドラッグストアで買い物を済ませました。 同室のYさんの話だと弟が病室へ入ってきてshinはかなり感激したようです。 私達が着くまでにOTを見学したり二人で話をしたりと時間をかけてshinと向き合ってくれたようで私も嬉しく思いました。 弟は事あるごとに電話やメールでshinの状況を尋ねてくれていたので、実際のshinを見てリハビリの成果も実感したらしく「お兄さん随分良くなっているね」と喜んでくれました。 6時ごろ長女も来ました。 夕食は病室で食べるので、私達もこのタイミングで病院を出ました。 先日外出した町へ4人で食事に行きました。 「この組み合わせだと家族におもわれるのかなぁ」とへんな心配をする次女です。 今月は弟の誕生月なのでひと足早いお祝いを兼ねての夕食です。 プレゼントはさっきドラッグストアで次女が買った育毛スプレー。 「ボクはまだ不自由していないけどね。ありがとう」と弟も笑っています。 久々に楽しい食事でした。 今夜は都心に泊まって明日また来てくれると言います。 明日は外泊と重なるのですが、夕方病院で落ち合う事にしました。 *********** ~外泊…2回目~ *転院88日目* 2003 10/11(土) 高校の進路ガイダンスがあり出かけました。 今年高校に入ったばかりなのにもう進路の事を考えるのか…と思いましたが、やはり行ってよかったです。 shinも病気になったし出来ればお金がかからない方法で進学してくれたらナァ・・・と漠然と思っていましたが、関東近辺の大学は難関校が多く現状は限りなく厳しい事が分かりました。 ただでさえもノンビリ系の娘なのに。あ~困ったな。 かなり早く会場を出たのにスクールバスがなかなか来ず、病院に着いたのは4時過ぎでした。 昨日に引き続き弟が来てくれていて、shinと次女と3人で話をしていました。 今日は外泊も予定しているのでshinも着替えを済ませて、駅前のスタ○でお茶にしました。 朝からもO先生と駅周辺を歩いているので駅までは今日は2回目になりますが、あまり疲れた様子も見せずコーヒーの上のフロートに子供のように夢中になっていました。 昨日とり忘れたデジカメの写真も、病院の前の時計台広場で「立って」撮りました。 今日も都心で泊まると言うので改札まで弟を見送り、私達も家へ帰りました。 外泊も2回目になるといろいろと手抜きも出来るようになり 簡単な夕食で今夜は済ませました。 1回目は掃除、布団干し、食事の用意とシンドイ思いもしまいしましたが、今日は疲れてしまったのでお風呂も入らずに寝ました。 これくらいのスタンスでいいのかも…。 ********** ~散歩…外泊二日目 ~ *転院89日目* 2003 10/12(日) 外泊二日目。 8時過ぎまでゆっくり寝ました。 朝食はホットケーキです。 ホットプレートでもオーブンでも小麦粉が焼ける香りって食欲をそそるし暖かい気持ちになれるので、私は大好きです。 天気予報が外れて晴れたのでshinと近所を歩いてみました。 家の前の坂道を下り、子供達が小さい頃遊んだ公園を通り過ぎ新しく出来た運動公園まで行きました。 足元はかなりシッカリしてきました。 スピードはこれから量をこなせばついてくるでしょう。 公園の広場でおじさん達が凧揚げをしていました。 黒いカラス?にも見える凧を幾つも連ねて高く高く上げている人もいれば、かなりの大きさの凧を芥子粒に見えるほど上げている人もいます。 自分の手元から大空高く上がっていく凧をコントロールするのは幾つになっても楽しい事に見えます。 shinも「スゴイナァ~」と言いながら見とれています。 帰りはN街道を下り中学の通学路を通って帰りました。 曲がり角や別れ道ではそれとなくshinを先に歩かせましたが、方向も忘れていないようで正しく道をとることが出来ました。 慣れの問題もあるでしょうが、shinが家に居ると一日が早く過ぎます。 退院したら病院に通わなくて済むぶん、楽かなと思っていますが、もしかしたらそうでもないかも。 昨日弟がshinに持って来てくれたストラップを新しい杖につけました。 トンボ玉で出来ている小さな人形ですが、歩くたびに杖に触れてカチャカチャとカワイイ音を立てます。 歩いているshinを応援してくれているようです。 弟の心遣いを嬉しく思いました。 ********** ~お帰り1号 ~ *転院90日目* 2003 10/13(月) 今朝は少し早く起きました。 近所の個人商店がパン会社系列のプチコンビニに変わるため 在庫半額セールがあるそうで、次女と買い物に行きました。 「こんなもんかなぁ~」と言いながら次女とレジに並んだら前のお客さんはかご3個ぶんのお買い物です。 お店の人もレジうちだけで汗をかいています。 「5万3千円の半額なので…」と聞こえてしまいました。 ヒョエ~殆ど食料品のようですが、私の食品レジでの支払い最高額はいくらだったかな…とつまらない事を考えてしまいました。 月曜日は病院のシャワーの日ですが今日の分はキャンセルしてきたので、shinは朝風呂です。 看護師さんに「家族が入るときはお湯は変えたがいいですよ」と言われていたので、shinが上がるともう一度フロ掃除です。 お昼は夕べのすき焼きにおうどんを入れて食べました。 午後から帰ると分かっているのに、今日も母は皆とタイミングが合いません。 お昼ぐらい起きてくればいいのにね…とshinに言ったら寂しそうに笑っていました。 家を出るときはスゴイ雨と雷でしたが、病院に着いた頃にはウソのように雨も上がり青空さえ見えていました。 今日は本当にタイミングが合わなかったね・・・とshinが言いました。 「看護師さんが優しかったよ」と312号室へ入るなりshinの隣のYTさんが言いました。 この連休は6人中4人外泊だったのでいつも賑やかなこの部屋も静かだったようです。 YTさんのマヒは左側です。 shinのお隣なのでshinの日常を見ては 「いいなぁ、○さんは上手く靴が履けて」とか「靴下はくのうまいね」などどshinに言います。 shinも結構モタモタしているのですが 「ボクの不実な左手はなかなか言う事を聞いてくれないよ」 「リハビリのセンス、ボクには無いのかなぁ」と笑いながら言われます。 でも右手はきくので万年筆で日記をつけておられます。 いつか「ほら入院してもうこんなに書いたんだよ」と見せられた日記はとてもキレイな字が並んでいました。 お帰り1号がshinでした。これから夕方にかけて皆さん戻ってこられるでしょう。 またいつもの312号室になります。 先日信号待ちでふと見上げるとお月様の横にきらりと火星が見えました。 昨日shinと一緒に見た凧も高く高く空を上がって行きました。 顔を上げて遠くを見てみれば、何だか今の悩みが小さく思えます。病気も仕事も家族の事も…大した事はないのかもナンテ気持ちがちょっとだけ膨らみます。 そして明日からもまた頑張ろうと思えてくるから不思議です。 そうそう、火星を見た時に、あ~Zさんに会いたいなぁと思ったのですが、その晩Zさんからメールが届いていたのには驚きました。 チャンスを見落とさないためにも顔はシッカリ上げて、願いは強く持ってこれからも過ごさなくては・・・そう思いながら夕方の道を急ぎました。 ********** まえへ(8) つぎへ(10) |